2002年1月

鼻水・鼻づまり   
鼻は、息をするための入り口で、息を吸うときや吐くときの空気の流れを調節したり、吸い込む空気を暖めて、湿り気を与えたり、くしゃみによって入ってきて欲しくないものを外にだす働きがあります。
鼻毛は、空気中のゴミなど(鼻くそになる)を吸いつけて、肺に入ってくる空気をきれいにします。鼻水の中に含まれる酸素や免疫グロブリンの働きによって、細菌ウイルスなどをやっつけてくれます。鼻はさまざまな外からの刺激を一番最初に受け付けるために炎症が起こりやすいのです。

鼻水がでる時には 風邪 鼻炎 蓄膿症などの病気が考えられます。透明な鼻水が少しでるだけで、鼻の奥のほうがくすぐったい程度で、熱もなく、食欲もあるようでしたらお家で様子をみていても大丈夫でしょう。ねばっこい黄色や緑色の鼻汁がでるときは細菌感染の疑いがあります。
鼻の奥と耳の間は耳管というものでつながっているので、子どもの場合は大人に比べてこの管が短いので、細菌が耳に侵入すると中耳炎や、また別の経路で副鼻腔炎を起こしたりしますので、早めに受診してください。

【One Point! 副鼻腔炎?蓄膿症?】
 蓄膿症と一般に言われているものは副鼻腔炎のことです。それではまず鼻の構造からお話ししましょう。
 頭の内部には、鼻や目を取り巻くようにして大小いくつかの骨の空洞があり、これを副鼻腔と呼んでいます。蓄膿症とはこの副鼻腔の炎症の総称で、専門的には「副鼻腔炎」といいます。副鼻腔の粘膜に炎症が起こると、そこで大量の粘液が作り出され、鼻へと溢れ出て黄色い鼻汁になるのです。膿が副鼻腔にたまるので蓄膿症という言われるようになりました。副鼻腔炎には、急性と慢性の2つのタイプがあります。

 急性副鼻腔炎の症状は、風邪に引き続いて起こり、発熱や頭痛、倦怠感、鼻づまり、黄色い鼻汁が多量に出るなど多彩です。慢性副鼻腔炎の原因は複雑で、急性炎症の繰り返しや遺伝的体質、鼻の粘膜が厚くなって詰まってしまう肥厚性鼻炎、扁桃炎、大気汚染などいくつもあります。また、上あごの歯、特に虫歯や周囲の炎症が副鼻腔の中に入り込んだり、飛行機や潜水で副鼻腔の気圧調整がうまくいかない場合でも起こります。慢性副鼻腔炎は、鼻づまりや粘っこい鼻汁が出る、匂いがわからない、といった主に鼻の症状が出て、続いて鼻汁が喉にまわり、咽喉の炎症や気管支炎が起こることもあります。神経症状としては、頭が重い、注意力散漫、記憶力減退がありますが、急性の症状と比べるとそれほど強くはありません。

 副鼻腔炎の予防は、風邪をひかないようにすることです。つまり、気温の変化に合わせて衣服を調節したり、寝冷え、湯冷めをしないようにして下さい。そして、風邪をひいたら完全に治しましょう。適当な運動で体を鍛えることと、偏食を避け、栄養に注意して、全身の抵抗力をつけることが、日常生活で心掛けるべき基本事項です。

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