1999年11月

  高血圧について   【血圧はなぜ高くなるのか?】を知っている人は、少ないのではないでしょうか。これからしばらくシリーズで高血圧について勉強致しましょう。

【血圧とは】・・・・全身を流れる血液が、血管の壁に与える圧力のことをいいます。

血液は、全身に張り巡らされた血管を流れて、常に体内を循環しています。心臓から動脈に送り出された血液は、体の各組織に酸素や栄養を供給し、体内で生じた老廃物などを回収し、静脈を通って心臓に戻ります。心臓を基点としたこの血液循環は、心臓が収縮と拡張を繰り返すことで持続されています。心臓が収縮すると、心臓内の血液が動脈に送り出され、心臓が拡張したときに、静脈から心臓内に血液が入ってくるのです。心臓が収縮するのに伴って、動脈の血管壁に圧が加わります。これが、【収縮期血圧】です。一方、心臓が拡張したときでも、なお、血管内にこもっている圧が、【拡張期血圧】です。一般に、収縮期血圧は、【上の血圧とか最大血圧】と呼ばれています。また、拡張期血圧の方は、【下の血圧とか最小血圧】と呼ばれています。高血圧には、【本態性高血圧】【二次性高血圧】の二つのタイプがあります。

・本態性高血圧・・・・はっきりした原因を特定できない高血圧です。
体内には、血圧を調整する様々な機能がありそのどこかに原因があって、
血圧があがると考えられます。

・二次性高血圧・・・・他の病気に伴って起こる、原因が明らかな高血圧です。
例えば腎臓病や脳、神経系の病気も高血圧の原因になります。
原因となる病気を治療すれば、血圧は下がります。

【みなさん知っていましたか?】
よく家庭では正常なのに、病院の診察室では血圧が高くなるという方はいませんか?このような高血圧を【診察室高血圧】とか【白衣高血圧】と言います。血圧は、日常の動作・運動・精神的緊張・ストレスなどですぐに上昇します。
血圧は非常に変動しやすいものです。高血圧の患者さんには、家庭での血圧値を知 ることをお勧めします。 高血圧は自覚症状はほとんどありませんが、長い間続くと体に様々な影響を与えます。
【血圧が高い】とはどのような状態なのかを理解し、生活習慣を見直して、血圧をきちんとコントロールしていきましょう。

次回は高血圧の合併症についてお話しします。

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