1999年3月号

花粉症

近年、くしゃみ・水のような鼻汁・鼻づまりなどの症状を伴う鼻の病気であるアレルギー性鼻炎は花粉症も含めて年々増加し、有病 率は10~20年前の5倍で15~20%とされています。増加の原因は、食生活の変化・大気汚染・住宅の密閉化社会生活でのストレスの増加などの多元的因 子が関与しています。季節性アレルギー性鼻炎のアレルゲンの主なものは花粉で、開花期に飛散する花粉を吸って起こります。
花粉の接触が原因で起こるアレルギー性疾患を、通称『花粉症』と呼びます。
代表的なのはブタクサとスギで、これらの花粉の大きさは普通0.02ミリ以上ですから、花粉が鼻から吸収されるとそのほとんどが鼻の粘膜に付着して 、気管支まで入ることはあまりありません。
そのため、花粉アレルギーでは鼻炎を起こしても、気管支喘息を起こすことは少ないのです。ブタクサは8~9月、スギは3~4月に開花します。特にスギ花粉 が原因で起こるものが非常に増えていますが、スギ・ブタクサ以外の花粉症も多いことがわかってきました。極端に言うと冬を除いてほぼ1年中、アレルギー性 鼻炎の原因となる花粉が漂っているのです。最も多くみられる症状は目のかゆみで、この他にも充血・涙がでる・目やにがでる・目がゴロゴロする・といった症 状があらわれます。
鼻では、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが花粉症による症状で、これらは、目の症状と同時起こるケースが少なくありません。花粉症は冬のうちから気を使う必要があるといわれています。

【対症療法】
薬物の全身投与、すなわち薬を内服(季節前および季節中に抗アレルギー薬を使用すると症状が予防されます)したり注射をしたりする方法と、薬物の局所投与、すなわち鼻の中に点鼻したり、スプレーしたりする方法があります。
花粉症は必ずしもアレルギー体質の人だけがかかるわけではなく、普通の人でも、毎年花粉にさらされていると次第に過敏になって花粉症を起こすようになるという報告もありますので、みなさんも【予防】を心がけましょう。

・マスクをするなら,空気が乾燥しているこの時期にしましょう。

・ストレスはためず規則正しい生活をして睡眠を十分にとりましょう。

・冷たい飲み物をとりすぎないようにしましょう。

・部屋の中には水を張った洗面器を置いたり洗濯物を干したりして、湿気を保つようにしましょう

・花粉の多い所には近づかず、アレルゲンとなる草木があったら取り除きましょう。

・帰宅時には必ず手洗いうがい洗顔を心がけましょう。

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