1999年3月号

心理室より  シリーズ不眠症2

今回は睡眠とはどういうものかお話したいと思います。
人間の意識の状態は、 覚醒(起きている状態)と睡眠(眠っている状態)に区別されます。【睡眠】とは、以下のような状態でエネルギーを節約し、身体や脳を回復させるための生理現象です 。
1) 生体リズムの一つで、周期的に繰り返される一時的な意識の低下した状態
2) 内外からの刺激により、すぐに覚醒する(目が覚める)ことができる
3) 体にとって必要なものであり、自分でそれをコントロールすることが可能である

また、睡眠は脳波でみると、【ノンレム睡眠】と【レム睡眠】の二つに大別されています。

【ノンレム睡眠】
脳波と眠りの深さによって4つの段階に分かれており、段階が進むごとに眠りは深くなります。その中で3~4段階は除波睡眠といわれ、一般的に熟睡している状態のことを指します。

【レム睡眠】
自律神経の活動が活発になり、血圧の上昇、心拍数の増加がみられ、呼吸も速く不規則 になります。また、脳波も第1段階を示す浅い睡眠期に入ります。ところが、筋肉の活動はきわめて低下した状態に入るため、身体の眠りに対して頭の眠りが浅い状態なります。この状態は夢と関係が深いと考えられているものです。眠りにつくと、まずノンレム睡眠が現れ、その後約90分後にレム睡眠が現れます。レム睡眠が約10分間続いた後、再び ノンレム睡眠が現れます。このような周期を1日に4~5回繰り返すことで人の睡眠は構成されています。

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