「ほどほど」の大切さ

 やらなければならないこと、あるいはやろうと決意したことに対して、あなたはどの程度真剣に取り組もうと思いますか?真面目に取り組むこと、努力することは自分にとってプラスになることがたくさんあります。しかし、手を抜くことがプラスに働くこともあります。

 勿論、物事に対して思い切り手を抜いてしまうことは良くないです。仕事をさぼると自分の能力向上に繋がらなかったり、周囲を困らせたり、ということに繋がりますし、日頃の食生活を全く自己管理していなければ、肥満や病気のリスクが高まります。しかし、すべての業務を完璧に熟そうとして1つの業務に時間を掛けすぎてしまったり、ダイエットのために毎日徹底的に食事管理をすることで、かえって心身に過度なストレスがかかってしまったりすることも考えられます。「真面目さ」は決して悪いことではありませんが、それが過度になると劣等感や気分の落ち込みに繋がることがあります。

 過度に真面目になることの理由は様々ですが、その中の1つとして、高すぎる目標を設定している、ということが挙げられます。しかし、実際の現状設定した目標から遠く離れていると、落胆してしまうと考えられます。例えば、世の中の多くの試験は6割から7割程度の得点を取れば合格できますが、コンスタントに6割5分程度を取れるようにしたい、と思う人もいれば、他の人と差をつけるためにより満点に近い点を取り続けたい、と思う人もいるでしょう。そのような場合、後者の方がより目標は高くなりますが、うまくいかなかった場合周囲と比較してひどく落ち込んでしまったり自分には到底無理だ、と思ってかえってやる気が起きなくってしまい諦める、という可能性も高くなります。

 先ずは設定している目標が高すぎないかどうか、見直すことから始めると良いでしょう。周囲の人が目標設定をどのようにしているか、尋ねて参考にしてみることが良いと思われます。その人たちの「高い目標」と照らし合わせ、自分の「高い目標は」が実現可能な範囲かどうか検討し修正していきます。

 その後は目標をより細かく設定し、小さな目標を少しずつ達成していく、ということも有効な方法です。その際達成するたびに自分を褒めてあげることも大事です。目標に少しでも近づいたら自分自身に積極的に肯定的な言葉掛けをしてあげましょう。修正前の目標と比較すると小さな目標になることで手を抜いているような感覚になるかもしれませんが、自分自身に肯定的な言葉がけを繰り返すことで自己肯定感が向上し、たとえ小さな目標に向かってでも、よりポジティブに物事に取り組めるようになるでしょう。

 物事に対しては「良い意味で」手を抜いて、程よく頑張ることをお勧めします。

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