2012年3月

塩麹
 塩麹という調味料をご存知でしょうか。昨年からマスメディアで広くとりあげられ、名前だけは知ってい
るという方も多いかもしれません。塩麹とは、麹と塩、水を混ぜて発酵・熟成させた、日本の伝統的な調味料のことです。【麹】とありますから、元々は分解酵素作用を利用して、古くから野菜や魚の漬物床として利用されてきました。昨年から急に塩麹に注目が集まったのは、美容効果が高いと人気だった酵素のブームがきっかけであり、食物酵素の含まれる発酵食品として話題にのぼった為といわれています。美容効果の他にも、塩麹には乳酸菌が多く含まれている為腸内細菌のバランスを整える効果も期待されており便秘解消にも良いとされています。腸内環境は免疫力にも関係してくる為、塩麹は免疫力の向上にも期待できます。

腸内環境と免疫の関係
免疫とは、人の健康を守ってくれる働きであり、自然治癒力という体の防御システムのひとつです。自然治癒力を高めるには、体内の腸内細菌を正常に保つ事が必要です。 ガンを初め、生活習慣病の予防や治療に大きな影響を与えるのがこの腸内細菌だと言われています。腸内には100種類100兆個の膨大な数の細菌がすんでおり、それらの中に善玉菌と悪玉菌があり、それぞれが熾烈な勢力争いをしています。通常健康な人の腸は善玉菌が優勢を保っており、悪玉菌を抑えています。逆に、悪玉菌が優勢になれば、病気になりやすくなってしまうのです。さて、免疫力の向上も期待ができる塩麹ですが、家庭でも簡単に作ることはできます。

塩麹の作り方
<材料>
・麹(乾燥タイプ)・・・200g 
・塩・・・60g お好みの塩でOK
・水・・・300cc
<作り方>
1 乾燥麹(200g)を細かくほぐしてボウルに入れ、塩(60g)を加え、全体になじませるように混ぜたら、水(300cc)を加えて、さらにさっくりと混ぜ合わせます。
2 1を大きめの密閉容器(タッパー)に移して表面を平らにならしたら、ゆるくフタを閉めて常温に置きます。(2~3日に1度かき混ぜてください。)
※ 気温が暖かくなる時期は発酵が進んで、麹と水が分離することがあるので1日1回混ぜるとよいそうです。
3 常温のまま1週間から10日ほど放置して、熟成させれば完成です。

作る時のポイント
大きめの密閉容器で、ゆるくフタを閉めること。発酵中に二酸化炭素が発生しますので、空気の逃げ道を作るために、フタは必ずゆるく閉めてください。

保存のポイント
塩麹が完成して保存する時は、しっかりフタをしめて冷蔵庫で保存してください。冷蔵庫で半年間は保存可能です。

塩麹を使った簡単レシピ

豚肉の塩麹漬け

<材料(2人分)>
・塩麹・・・大さじ2
・豚ロース肉・・・2枚(150g)
<作り方>
1 ラップの上に塩麹をのばし、その上に表面の水気をふき取った豚ロース肉をのせ、さらに塩麹を加えてのばしラップで包む。
2 保存袋に入れて、しっかりと空気を抜き、冷蔵庫で一晩ほど置く。
3 塩麹をつけたままの豚ロース肉を、サラダ油(少々)をひいたフライパンに入れる。
4 蓋をして1分ほど蒸し焼きにして、焼き色がついたらひっくり返して、再度蓋をして中火で1分ほど加熱すれば完成です。
※麹に含まれる酵素により、肉が柔らかくなり旨みも増します。魚や鶏肉で作っても美味しいです。

塩麹を使ったレシピは他にも様々なところで紹介されています。塩麹に限ったことではありませんが、最近少し不調だなと感じることがあれば、毎日の食生活から腸内環境を改善してみてはいかがでしょうか。

カテゴリー: 201203, その他 パーマリンク