2008年1月院長より

あけましておめでとうございます。今年は衆議院選挙があるのではと噂されていますが、この先何年間かの日本の舵取りを誰が、どのようにやってくれるかを決める大事な選挙になると思いますので、注目していて下さい。

広報なごやによりますと、あと二年で名古屋開府400年となるようで、徳川家康が名古屋城の築城と清洲の町の移転を命じたそうです。日本を平定し、長く続く平和な時代を作った人物として教科書や歴史小説で知る名前とこの名古屋の地とが結びついていることを知りました。清洲城もきれいに造ら
れていますが、名古屋城の本丸御殿がどのように復元されるのか、ますます楽しみになってきました。昨年、混合診療の問題で裁判がありましたが、そのきっかけはなぜ自分の受けた治療は保険が使えず、高額になってしまうのかという素朴な疑問から始まったものでした。国も医師会も原則混合診療禁止と言っていますが、なぜそう主張しているのでしょうか。

治療には保険が使えない自由診療と保険で行う保険診療とがあります。 この二つの最大の違いは、効果が不明な治療は自由診療で行い、効果が確定している治療は保険診療で行うという原則にあります。 混合診療とは自由診療と保険診療とを一緒に使うことを言いますので、混合診療を容認すれば自由診療に保険診療の費用が使われることになります。極端な場合、詐欺に近い治療法も安価で提供できるので、溺れる者は藁をもつかむの気持ちの患者さんがだまされる機会を増やしてしまいますし、大事な保険診療の財源をおかしな事に使われてしまいます。またお金持ちが高額な自由診療を受ける度に保険診療のお金が使われますから、保険診療しか受けられない庶民の使える保険診療のお金が減ってしまうことになります。以上のことから特に医師会は、効果がある治療方法かどうかの検討を速やかに行える方法を確立し、効果があることが証明できた治療法は速やかに保険診療で行えるようにすることを第一の目標にし、効果の不明なものまで保険を使えるようにする混合診療を禁止すべきと主張しているのです。不思議なことに混合診療を認めるよう強く主張しているグループもあります。いわゆる経済界の人たちです。なぜ彼らはそう主張するのでしょう。答えは簡単。自分たちが儲かるからです。混合診療が認められれば、自由診療が増えますが、高額な治療をそう簡単には受けられません。そこで登場するのが、テレビコマーシャルでも有名な医療保険というものです。自由診療でも使える民間医療保険の売り上げを伸ばすチャンスだから一生懸命なのです。くれぐれもそういう人たちにだまされないよう、目を配り、本当の自分たちの見方は誰なのかを見定めていただきたいと思います。

カテゴリー: 200801, 院長より パーマリンク