2007年5月院長より

統一地方選挙が終わり、次は7月の参議院議員選挙となります。医療制度や診療報酬など、医療に関わる重要事項は国会で決定されますから、我々医師が患者さん方のためになる制度にしたいと考えた場合、国会議員がその声を国会で代弁してくれないといけません。そして国会議員は選挙で選ばれるので、当選させてくれる人たちの意見をくみ入れ、活動してくれるはずです。いくら応援しても国会議員に応援していることが伝わらなければどうしようもありませんが、現在の比例代表非拘束性選挙である参議院議員選挙は誰が応戦しているかが非常に分かりやすい選挙です。私どものように、医療制度を通して国民が安心して生活できる日本にしていきたいと思っている団体が推薦している候補を一緒に応援して下さることで、その思いが国政に伝わるのだ、ということを十分に認識していただきたいと思います。
 今の日本は赤字国債を発行し続けなければならないほど財政状況が緊迫した状態であるため、国の負担を軽減することが最も優先される事項となっているようです。そのため、医療制度においても国の負担を減らし、その変わりに国民と医療機関とがその犠牲となり、一手にその負担を背負わされています。国民の健康を守ってくれるはずの厚労省も財務省の言いなりになっているのか、最近もとんでもないことを言い出しております。厚労省方針として、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度を08年度に創設するのに合わせ、複数の疾患を持つ高齢者を一人で診ることができる開業医を「総合的な診療能力を持つかかりつけ医」と認定し、公的な資格を与える方針を固めた、というものです。様々な疾患を持つ高齢者に、高度な専門医療は必要ないとも読み替えられる暴言と言えます。厚労省の方針には「金のかかる入院患者の終末期医療を在宅医療にシフトし医療費を抑える」という別の思惑もあると言われており、小泉政権以降の「医療費抑制ありき」をむき出しにした政府の姿勢を変えるには、これ以上政治に無関心ではいられません。
是非ご協力をお願いいたします。

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