2002年1月

甲状腺   
 甲状腺は、甲状腺ホルモンを合成、分泌する器官です。身体の成長、発育や新陳代謝に必要不可欠で、精神活動にも重要な役割を果たしています。甲状腺ホルモンの量は常に一定になるように調節されています。多すぎても少なすぎてもいけません。

【甲状腺はどこにあり、どんな働きをしているの?】
甲状腺は、喉仏のすぐ下、気管にくっついて います。蝶々が羽を休めて木に止まっているようです。甲状腺ホルモンを血液の中に送り出し、 全身の細胞に届けて、働け働けとメッセージしています。                     
何らかの原因で血液中の甲状腺ホルモンが過剰になると、全身の代謝が非常に高まります。その結果、心臓の動悸(頻脈)、血圧上昇やイライラ、多汗、不眠などの症状が出現します。逆に甲状腺ホルモンが不足すると、全身の代謝が低下するため身体がだるい、眠たい、寒がり肌のかさつき、身体のむくみが生じてきます。
甲状腺ホルモンの原料は食品中のヨードです。日本人はヨードを多量に含む食品(昆布・海藻)を摂取する機会が多く、ヨード欠乏になることはまずありません。問題があるのは、むしろ過剰摂取のほうです。健康食品と称して、根昆布を煎じてのむのがはやっているようですが、これは甲状腺のとって百害あって一利なし。ヨードの大量摂取となってしまいます。普通に味噌汁に海藻を入れたり、吸い物のだしを昆布で取るのは全く問題ありません。
次号では甲状腺の病気についてお話ししていきます。

カテゴリー: 200201, 病気・治療 パーマリンク