2001年3月

気管支喘息 
【生活上の注意点】
家のゴミ(ハウスダスト)やダニが原因の気管支喘息は【環境病】と言っても良いのです。生活環境を改善するだけで、気管支喘息発作を起こさなくなります。ゴミやダニの温床となるジュータンやぬいぐるみを排除し、こまめな掃除をしましょう。掃除機は本体をベランダなど外に出して、長いホースを使って掃除をします。掃除機の後ろから出る、目に見えないゴミがぜんそくの原因になることもあります。ダニを殺す掃除機もあまり意味がありません。死んだダニも喘息の原因になるからです。次に拭き掃除をしましょう。タンスの後ろなど、目に付かないところもシッカリ掃除することが大切です。
 もし、ご家族で喫煙をしている人がいたら、【禁煙】してもらうようにお願いして下さい。患者さんご本人は、風邪をひかないように十分な睡眠、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。他にしたの項目にも注意して下さい。

・家具、調度品を減らす。
・北面に家具を置かない。
・ジュータン、ソファ、ぬいぐるみを減らす。
・開放型石・ガスストーブを用いない。
・尿素ホルムアルデヒド合板家具、調度品を用いない。
・結露は速やかに拭き取る。
・ペットは飼育しない。
・鉢植えの植物は室内に置かない。
・畳の上の敷物は用いない。

 喘息の患者さんは、自分の発作がどれくらいの強さのものであるか、性格に判断する必要があります。発作が起きてしまった時、どのように対応すればいいかを簡単に挙げておきます。

*大発作の時・・・息苦しくて会話も困難、動けない状態です。すぐに救急車を呼ぶ必要があります。処置に遅れると生命の危険があります。救急車を待つ間、とりあえず1回だけ発作の吸入を使用して下さい。効かないからといって何回も使用しないで下さい。

*中発作の時・・・息苦しく、横になって寝られない。座ってじっとしていれば、何とかしのげる状態です。発作止めの吸入を1回使ってみて、楽にならないようなら、すぐに医療機関に受診して下さい。「発作止めの吸入」は、効かない時に繰りかえし使うのは危険です。点滴をするなど、別の方法での治療が必要になります。またい、我慢しないようにして下さい。大発作につながる可能性もあります。

*小発作の時・・・少し息苦しいが、横になって眠ることができる状態です。発作止めの吸入を1回使ってみて下さい。楽になれば、すぐ医療機関を受診することはありませんが、吸入の効果が3時間以上続かず、すぐに吸入が必要となるなら、医療機関に受診して下さい。

 発作止めの吸入は「早めに少なく」使うことが重要です。我慢して重くなってからでは効きませんし、心臓を刺激する副作用は、早めに使うよりも強くなります。発作止めの吸入はあくまでその場の発作を沈める効果だけで、持続的な効果は期待できません。気管支の炎症を抑えて、気道の過敏を起こしにくくするために、普段からの治療が大切になってきます。

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