1999年7月心理室より

心理室より シリーズ不眠症4
シリーズでお伝えしてきました不眠症、前回は不眠の
【原因】についてお伝えしました。
最終回となります今回はその
【対策】についてご紹介していきたいと思います。
不眠はその個人と取り巻く様々な要因が絡み合っているので、そのタイプや原因によって様々な対策があります。

【不眠のタイプ】
【入眠困難型・リズム障害型・熟眠困難型】が一般的に多いといわれています。この中で最も多いのが入眠困難によるもので眠ろうと思えば思うほど神経が興奮して寝付けなくなるのです。この様な場合、神経を静める事が必要となるので、少量のアルコールや食物、腹式呼吸などが有効であるといわれています。

*腹式呼吸は気分を落ち着ける神経の働きを高めて、ストレスを抑える効果があります。

また、睡眠中の体温は眠りが深いほど低下するので、日中にスポーツなどで体温が上昇するとその反動で睡眠中の体温が低下し、より深い 睡眠を誘います。運動と同様に体温上昇に有効なのが入浴です。入浴は浅眠・中途覚醒などの不眠を緩和する効果があります。ややぬるめのお風呂にゆっくり入浴するのがポイントです。

*他にも、寝る前に暖かい牛乳を飲むことは体温の上昇を促進すると伴に心理的なリラクゼーションという効果があります。

年配の方に多いのが、【なかなか寝付けない・朝早く目が覚めてしまう・夜中にしばしば目が覚めてトイレに行く】など、睡眠・覚醒のリズムの乱れによるものです。老人に限らずこのような睡眠のリズムの障害には、上記のようなスポーツや入浴のほかに、家族や友人同士で戸外へ散歩に出かけて体を動かすなど、【社会的接触を増やす事】や、【日光浴などの一定の高照度光療法】や、【ビタミンB12の摂取】が良いと言われています。

また昼寝をしすぎて眠れなくなる、生活時間が夜型になってしまうなどといった生活リズムの乱れからの不眠もあります。このような場合には、毎日起床時刻や床につく時間を決めておくなど、自分にあった規則正しい生活習慣を持つように心がけるようにするとよいでしょう。

生活習慣や年齢的な要因によるものとは別に、神経質な人や几帳面な人に不眠が多いと言われています。
このような人はストレスを感じやすく、昼間緊張して行動して夜になってもその緊張がとれず、夢を見たり夜中に何度も目が覚める事が多いようです。また、極度の精神的な緊張やショックな出来事などがきっかけとなって、不眠に陥ることは少なくありません。

【毎日、規則正しく生活しているし、体も心にも大きな問題はないのに眠れない】
このようなとき、多くは仕事や家庭など人間関係上のストレスが安眠を妨害していると考えられます。
このような場合は先程紹介した寝る前に暖かい牛乳を飲む、音楽を聴くなどのリラックスを図る事が大切です。
不眠に隠れた内臓や心の病気、そして深刻にこじれた不眠症には、薬による治療が必要な時もあります。
睡眠薬には睡眠導入剤、安定剤といったものがありますが、不眠の状態・期間などその人その人の症状にあったお薬を飲むことが大切です。そのためには医師による診察と処方が必要です。心身のバランスを保つという意味でも睡眠は人間にとって非常に大切なものです。

*少しでも気にかかることがありましたらお気軽にご相談ください。

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