気持ちの伝え方

 こんなことで悩んだ経験はありませんか。
「つい言いすぎて相手をひどく傷つけてしまった」
「Noと断れずに嫌なことを引き受けてしまった」
「伝えなければいけないけど、言いにくくて先延ばしにしてしまった」
 こういったことは誰でも日常的に起こるものかと思います。これらは、「自分」か「相手」のどちらかを優先しすぎてしまっているのです。そういったとき、どのように伝えれば相手も自分もハッピーになれるのでしょうか。

気持ちの伝え方には3つあります。
1.「私はOK、あなたはOKではない」I’m OK, you’re not OK.
これでは自分が一番で相手のことなどお構いなしになっているので、相手との関係は悪くなってしまいます。
2.「私はOKではないけど、あなたはOK」I’m not OK, you’re OK.
相手のことを優先して、自分は我慢している為、自分が苦しくなってしまいます。
3.「私もOKで、あなたもOK」I’m OK, you’re OK.
この伝え方ができると、自分の気持ちを伝えながら、相手の気持ちにも耳を傾けることができます。

気持ちが上手に伝わらないとき、気づかないうちに「相手を責める伝え方」になっていませんか。「相手は自分の鏡」です。あなたが攻撃的になると、相手も攻撃的になってしまいます。そうなると、あなたと相手の心の溝が広がって、ますますコミュニケーション取りづらくなってしまいます。そして、あなたは「原因は相手にある!」と考えてしまうかもしれないですね。でも、実はあなたの伝え方に問題があったのかもしれません。

ユーメッセージになってしませんか。
ユーメッセージとは、「あなた」を主語にする伝え方で、「あなたに~させる、してほしい」といった表現になります。例えば、「君は間違っている」「遅刻だぞ」「言うことを聞けよ」と、「ユーメッセージ」は相手の非難のメッセージになりやすいため、相手の反感を買ってしまうことにもつながります。「君は間違っている」と言われたら、「いや、お前が間違っている!」とついつい言い返したくなってしまいますよね。

そうならないために、アイメッセージを使いましょう。「わたし」を主語にして。「私は○○と思います」と、自分の気持ちを伝えることで、批判的にならずに伝えることができます。

実際に、ユーをアイに替えてみます。
「君は間違っている!」は「私の考えは、あなたの考えと違うよ。」、「遅刻だぞ」は「時間になっても来ないから、私は心配したよ」、「言うことを聞けよ!」は「すごく大事なことだから聞いてほしい」と変えてみると、柔らかい伝え方になりますよね。

アイメッセージは愛メッセージともいわれ、相手を大切にした伝え方です。特にどうしても注意しなければならないときや、教えなければならない時に、感情的に攻撃的になってしまいますよね。でも、そうなると相手と良い関係性を築くことができません。ユーをアイに替えてみてください。

言葉以外に大切なもの
気持ちを伝えるために、言葉以外にも大切なものがあります。私たちのコミュニケーションの大半は、言葉以外の視線、表情、ふるまい、声の調子や大きさなどで表現をします。「あなたと遊んで楽しかったよ」と言われても、表情が曇っていたり、声の調子が暗かったりしたら、本当に楽しかったとは思えませんよね。言葉以外の表現にも気を配ることが大切です。

私もあなたも大切な存在です。相手に愛をもって気持ちを伝えてみてください。

カテゴリー: 201703, 心理室より パーマリンク