2012年5月

2年に一度の診療報酬制度の改定がこの4月に行われました。相も変わらず4月から始まるのに大筋が決まるのが2月末、細かな点数設定が決まるのが3月はじめ、さらに運用詳細は4月になってからも変更されるというお粗末な状況が続いております。これも変えると豪語した政党に政権が変わっても変わらないのは官僚に支配されているからでしょうか。
 一昨年にも書いた入院中の患者さんの診療に関わる制度の改悪は今回でも変更してもらえませんでした。入院中に他医療機関を受診する際には必ず入院中の医療機関の主治医にそれを伝え、情報提供書を発行してもらうことを忘れないで下さい。
 今回の外来診療に関わる改定で目立った点は在宅医療の推進です。我が国は少子高齢化の道をまっしぐらに突き進んでいますが、いわゆる団塊の世代が後期高齢者になる頃には今の病床数の5割り増しぐらいの病床が必要となるそうです。ところがそれだけ病床を増やすことは医療費の財源問題でできないため、民間企業に高齢者用住居を造らせ、そこに在宅医療を提供することで入院を減らすことができると考えているようです。そのための環境整備を行っており、そういう国の方針が診療報酬にも明確に表れましたが、その後人口が減った時、それら高齢者用住居はどうなるのでしょう。踊らされた民間企業の自己責任なのでしょうか。
 また、同じく一昨年に名古屋市長が独裁者になるのではないかと警鐘を鳴らしましたが、今は関西の方に県知事から市長に転身した同じく独裁者と呼ばれている市長も誕生し、次回の国政選挙では彼の作った政党がその目玉となるとささやかれています。減税党との連携も噂されておりますが、それらの
政党が後の世でナチス党と一緒だったと言われないよう、現世の我々がしっかり目を開いて主義主張を判断し、甘い言葉にだまされないよう気をつけなければなりません。
 医療制度改悪の変更を求めるにも、ヒトラーのような独裁者を作らないためにも、我々の出来る大事な行動は選挙に行き、票を正しく投じることです。良識ある行動をお願いいたします。

カテゴリー: 201205, 院長より パーマリンク