2001年7月

鉄欠乏性貧血   
 近年、鉄摂取量不足による<鉄欠乏性貧血>が問題になっています。成人女性の半数以上がその「予備軍」である<隠れ貧血>の状態にあるようです。貧血の原因には「白血病」や「感染症」などたくさんありますが、もっとも多いのは「鉄欠乏」です。

【「鉄」とはどんな働きをしているのでしょうか?】
「鉄」は血液の赤血球中にあるヘモグロビンを作る原料になっています。 ヘモグロビンの最も重要な働きは、肺から吸収した酸素を体中に運ぶことです。ヘモグロビンが減少すると、体の組織が酸欠状態になるわけです。貧血の症状は全身倦怠感、どうき、めまい、耳鳴り、頭痛、息切れなどです。また、鉄欠乏性貧血の特有の症状としては、さじ状爪(爪の真中がへこんでスプーンのようになった状態)、舌炎・口角炎、食道粘膜萎縮などがあります。そして、最近の研究では、潜在性鉄欠乏状態でも注意力や集中力の低下、学習能力の低下などが起こっていることがわかってきています。
 ダイエットや食生活のかたよりが問題になる今こそ、貧血検査には重要な意義があると言えるでしょう。ご心配の方は、当院でも検査を行なっていますので、お気兼ねなくお申し出下さい。

【朝礼や風呂場で倒れる人は貧血ではないの?】
この場合は、貧血にはあてはまりません。朝礼などで倒れた人を検査した結果、貧血に該当した人はいなかったそうです。このように倒れてしまうのは、「起立性低血圧」によるためです。「起立性低血圧」とは、立ったとき体の下部の血管が収縮しないため、心臓より上部へ血液が回らず、脳が酸素不足になってしまい、倒れてしまうのです。この原因は自律神経の不調などが原因です。お医者さんに見てもらったほうが良いと思います。

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