2009年3月

休職と傷病手当金~派遣社員~

○派遣社員は休職できる?

うつ病であると診断を受け、ストレスの原因が会社にあるとしたらまずは休職を、と主治医の先生に勧められた時、自分は派遣社員だから休職はできないと思ったことのある方はきっと少なくないと思います。確かに、派遣社員に限らずアルバイト、パートは臨時の人手と考えている企業が多く、休職制度が整っていないのが現実です。一旦病気で休みに入ると、今まで働いていた派遣先企業での籍はなくなる事が多いと聞いています。

ただし、企業によっては派遣社員でも休職制度があるケースもあります。アルバイトやパートに休職制度を作るかどうかは会社の裁量に任されているものです。自分の待遇がどうなっているのか、就業規則で休職制度はないかを確認してみるのも良いでしょう。

○籍はなくなっても、傷病手当金はもらえる?

一定の条件を満たせば、会社に籍を残しての休職はできなくても、傷病手当金をもらうことはできるケースがあります。
その条件とは…
 ①登録している派遣会社の健康保険(派遣健保など)に連続して2ヶ月以上入っている
 ②働いている契約期間内に、うつ病を理由に連続で3日以上欠勤した(土日含む、有給も可)

②が少しややこしいですが、3日以上続けて休んだ時点(待機期間の完成)で、初めて傷病手当金の申請ができます。3日休んで待機期間を完成させた上で、派遣会社に「傷病手当金の手続きをお願いします」と伝えれば、必要な事務手続きを進めてもらうことができます。忘れずに傷病手当金申請書類を受け取り、必要事項を記入して提出しましょう。傷病手当金の金額は、正社員の場合と同じ算出方法で計算されます。いつもの給与額のおおよそ6割程度支給されますが、保険料等引かれるものもあります。その為、実際に手元に残る金額としてはいつもの給与額の半分程度になることが多いそうです。

ただし、ここで注意して頂きたいことがあります。手続き時、健康保険に続けて1年以上加入していれば、派遣元との契約がなくなってもそのまま給付を受けることができますが、2ケ月以上1年未満の加入者は退職後に傷病手当金の給付を引き続き受けることはできません。

ちなみに国民健康保険には傷病手当金制度がありません、こちらも併せてご注意ください。
ご不明な点等ありましたら、お気軽に職員にお問い合わせください。
 

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