2007年1月

リワーク支援(職場復帰支援) ―うつ病などで休職をしていて職場復帰をお考えの方に―

 リワーク支援(職場復帰支援)というものがあります。
 厚生労働省が5年おきに実施している「労働者健康状況調査」からは、1997年、2002年には、労働者の60%以上が「仕事に関する強い不安、ストレスを抱えている」という結果が得られています。心の健康問題によって長期休業、休職に至っている労働者に関する実態調査では、58.2%の企業が、最近3年間で「心の病」が増加したと回答しました。また、「現在、『心の病』のため1ヶ月以上休業している従業員」がいる企業は、全体で66.8%に上っています。従業員1000~2999人の企業では84.3%、3000人以上では95.9%となっており大半の大規模事業所が心の健康問題による長期の休業、休職者を抱えていることが推定されます。(2004年産業人メンタルヘルス白書)

 うつ病をはじめとして、治療と併せて、職場復帰後一定期間適切な支援を行なう事によって、発症前と同程度か、それに近い業務遂行能力を期待できるとして、『障害者職業センター』は2002年度より「精神疾患により、休職している労働者に対し、復職準備の為のウォーミングアップを行なうとともに、事業所に対し、復職に係る専門的な助言や援助を行なう事により、当該労働者の復職が円滑に進められるように支援すること」を目的として、在職精神障害者の職場復帰支援プログラムを開始しています。

【では具体的にわが町ではどのように行なわれているのでしょう】
 独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構『愛知障害者職業センター』というところで職場に復帰するための専門的な援助を受けられます。名古屋駅のすぐ近くにあります。
※愛知障害者職業センターのリワーク支援は、うつ病などで休職中の方で、主治医が職場復帰の為の活動を開始する事を了解している方を対象としています。既に会社を退職されている方、主治医が了解をしていない方は、対象になりません。

【主な内容は】
  1. 生活リズムの立て直し
  2. ストレスへの対処方法
  3. リハビリ出勤(試し出勤)
  4. 会社との調整
  5. フォローアップ
 障害者職業カウンセラーが、ひとり一人の職場復帰に対する考えなどを伺い、主治医、会社の担当者と相談しながら、進められていきます。

【受講者の声】 
 ○受講のきっかけは?
「自分以外の休職している人たちがどのようにしているのかを知りたい」
「過去の失敗体験から、ただ休養して職場復帰するだけでは仕事が続けられるか不安である」
「枠組みがないと自発的な行動ができない」

 ○受講の効果は?
「ほぼ毎日通所することにより、生活のリズムが身についた」
「今までの仕事やキャリアを整理し、肯定でもなく否定でもなく将来を見つめなおす事ができた」
「意地、見栄、プライドなどにそれほどこだわらなくなった」
「疲れ、気分のコントロールができるようになった」
「周囲とのコミュニケーションがとりやすくなった」
「仲間ができ、励ましあうことで、前向きな気持ちが出てきた」

以上、復職のための支援の一つである「リワーク支援」をご紹介しました。具体的な内容について、興味のある方は、先生や、スタッフにご相談下さい。 「復職をすること」 それは、たやすい事ではありませんが、ひとりで頑張るのではなく、先生やスタッフと相談しながら無理なく考えていく事が良いのではないでしょうか。専門的な支援の活用も有効かも知れません。人も,制度も利用して行きましょう。

カテゴリー: 200701, 精神保健福祉士より パーマリンク