2005年7月

あんみつ
 『あん』、『蜜』、『寒天』、『赤えんどう』、『求肥』、『みかん』 ここから何を連想するでしょうか?「あんみつ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?今月は、暑くなるこの季節にピッタリのあんみつについて紹介します。

○あんみつの歴史
 「あんみつ」は「みつ豆」から生まれた!
 「あんみつ」という食べ物は「みつ豆」から生まれたレパートリーの一つで、「みつ豆」が無ければ「あんみつ」はこの世に存在しなかったと言われています。その昔、赤エンドウ豆に蜜をかけて食べていた時があり、やがてそれに寒天が入り、「みつ豆」ができたそうです。すごいのはそこにあんこを入れた人がいて、「あんみつ」としてブレークしたわけです。

○みつ豆のバリエーションには次のようなものがあります
・「みつ豆」にフルーツをのせたのがフルーツみつ豆。
・「みつ豆」に白玉をのせたのが白玉みつ豆。
・「みつ豆」にアイスクリームをのせたのがクリームみつ豆。
・「みつ豆」にあんこをのせたのがあんみつ。
・「みつ豆」にあんこと白玉をのせたのが白玉あんみつ。
・「みつ豆」にあんことアイスクリームをのせたのがクリームあんみつ。
・さらに「みつ豆に」あんことアイスクリームと白玉がのったのが白玉クリームあんみつ。
・そして「みつ豆」にあんことアイスクリームと白玉とフルーツがのったのがフルーツ白玉クリームあんみつ。
といった具合です。

○そもそも、「あんみつ」のもととなった「みつ豆」はいつからあったのでしょうか?
「みつ豆」は現在も東京浅草でお店を開いている「舟和」さんが明治30年代初めに作ったのが最初と言われています。明治30年代といえば、文明開化が叫ばれていた時期で、モダンな銀の容器に寒天とパイナップル、あんず、みかん、求肥をのせて蜜をかけ、さらに銀のスプーンを添えて出していたそうです。
 この舟和さんの「みつ豆」の原型となったといわれているのが、江戸時代末期にあった、白米の粉を練った新粉餅と赤えんどう豆を混ぜ、それに蜜をかけた食べ物だと言われています。

○では、ここからが本題です。「みつ豆」を進化させた「あんみつ」はいつからあったのでしょうか?
「みつ豆」にあんこをのせた「あんみつ」は、現在も銀座五丁目でお店を開いている「若松」さんが最初だと言われています。
「若松」さんは明治27年に上野で和菓子屋をしていた森半次郎氏が銀座にお汁小屋を開業しスタートしました。その二代目が自慢の「自家製あん」を生かした食べ物はないかと知恵をしぼって考案したのが、「みつ豆」に「あん」をのせたものでした。
この食べ物は二代目の思惑通り大評判になり、あっという間に広まったそうです。これが現在の「あんみつ」の始まりと言われています。

この大ヒット商品となった「あんみつ」を、若松さんは専売特許にしないで、他の甘味やさんにも広めたそうです。このことにより日本全国どこでも「あんみつ」が食べられるようになったと言われています。

○家庭で簡単にできる「あんみつ」をさらに美味しく食べる方法
【クリームあんみつ】
市販のあんみつに、100円位で売っているカップアイスをスプーンですくって、あんみつの上に乗せる。あんこと黒みつにアイスクリームが絶妙に絡み合って寒天のうまさを引き出してくれます。専門店の甘味処のクリームあんみつに負けない味のあんみつが出来上がります。

アイスクリームを買いに行くのが面倒だという方には・・・
「コーヒーフレッシュ」を使ってみてはいかがでしょう? 賛否両論がありそうですが、コーヒーフレッシュ一個を、あんみつの上からふりかけるだけで、あんみつがとても美味しくなります。濃厚な味がお好きな方にはオススメです。

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