2002年5月

水虫    
蒸し暑く、じめじめした季節の到来です。梅雨から夏にかけて高温多湿になるこの時期は水虫の活動が活発になりがちです。
今月は水虫についてお話します。

【水虫って何?】
 水虫はカビの一種である白癬菌の感染によって起きる病気です。この菌が皮膚の表面(角質層)に寄生し、増えることによってさまざまな症状を引き起こします。
 白癬菌は低温で乾燥している時には活動が鈍ります。しかし、 温度15℃、湿度70%以上になると増殖するといわれています。靴や靴下などで足が蒸れてしまう環境は、白癬菌にとっては快適な場所になってしまうのです。

【水虫の3つのタイプ】
 趾間型…足の指の間にできます。はじめのうちは小さな水ぶくれができ、かゆいのですが、乾燥してボロボロと皮がむけるとかゆみがなくなります。ひどくなると、皮膚がジクジクして、それがむけると赤くただれてヒリヒリと痛みます。

小水疱型…足の裏やふちに小さな水ぶくれができます。かゆみがあり、かくと増えて、やがて乾燥してかさぶたができます。

角質増殖型…足の裏全体の皮膚が硬く厚くなってカサカサしてきます。皮がむけてきますが、あまりかゆみはありません。

【水虫は足以外の場所にもできるの?】

白癬菌は手や爪、頭などにも同じような病気を引き起こします。たとえば、爪の場合、透明感や光沢がなくなり、厚くもろくなってしまいます。

【水虫はどうして治りにくいの?】
 角質層は外からの刺激や雑菌から体を守るために強固にできています。しかし、いったん白癬菌が住み着くと逆に角質層が白癬菌をガードしてしまい、その結果薬が浸透しにくく、なかなか死滅しないことが多いのです。

【水虫を完治させるためには?】
かゆみなどの症状が治まったとしても、白癬菌が生き続けている可能性は大きいのです。白癬菌が勢力を回復してしまわないように、根気よく治療を続けましょう。

【水虫にかからないように気をつけることは?】
・清潔にしましょう! 
 お風呂に入り、石鹸でよく洗って患部を清潔にしましょう。また、蒸れないように冷涼、乾燥にこころがけましょう。
 
・マットやスリッパに気をつけましょう!
 特にたくさんの人が出入りする場所でのお風呂場のマットやスリッパなどで感染するケースは多いといわれています。しかし、これは傷がある場合やその後きれいに洗い流さなかった場合によくおこるといわれています。自宅においては、マットをまめに洗い、よく干して乾燥させるとよいでしょう。また他の人が履いたスリッパを履くような場所では、靴下を履くとよいでしょう。
 
・革靴は蒸らさないようにしましょう!
 ぴったりとした靴を履くようにしましょう。きつい靴やゆるい靴は蒸れやすいといわれています。また、1日履いた靴は1日休ませるとよいでしょう。  2日続けて履いた靴には汗がたまっていることが多く、白癬菌が増えるには最適な環境になってしまいます。

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