2001年7月心理室より

心理室より 児童虐待1   
今回から2回に分けて、「児童虐待」についてお話しします。

【児童虐待の現状】

 最近、テレビや新聞などで「虐待」という言葉を目や耳にすることが多くなりました。児童相談所に寄せられる相談件数は年々増え、平成10年度には年間約7000件にのぼっています。しかし、これもごく一部で、実際にはもっと多くの子どもたちが虐待を受けているのではないかと言われています。

【児童虐待ってどんなもの?】 

 子どもへの虐待とは、親(養育者)による子どもへの暴力、養育の拒否、言葉による脅し、性的いやがらせなどで、子どもの心身を傷つけ、生命を脅かし、すこやかな成長・発達を阻害する行為のことをいいます。親がしつけと思っている行為でも、子どもが苦痛を感じる場合は虐待であるという認識が大切であり、子どもの立場でその行為が判断されなければなりません。児童虐待は子どもの心に深い傷を残すばかりでなく、人格形成に大きな影響を与えるものです。また、時には死に至る場合もあります。

児童虐待は4つのタイプに分けられます。
・身体的虐待
身体に傷を負わせたり、命に危険のあるようなことをすること。

・ネグレクト
子どもの健康や発達に必要な衣食住の世話を怠ったり、病気やけがの時に必要な医療を受けさせなかったりすること。

・心理的虐待
親が子どもからの働きかけに応えなかったり、言葉でひどく叱るなどで、子どもの心に不安やおびえを引きおこす行為。
その結果、心身の発達に問題を生じさせること。またはその恐れの大きい状態。
   
・性的虐待
性的ないたずらや嫌がらせ、性的関係を強要すること。

 次回は、児童虐待を防ぐために私たちができることをお話します。

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