1999年5月号心理室より

心理室より  シリーズ不眠症3

不眠には大きく分けて5つの原因が考えられます。

【身体的原因】
・痛み、かゆみを伴う疾患があって、その為に眠れない場合。例えば椎間板ヘルニア・アトピー性皮膚炎 ・白癬症(俗にいう水虫)・老人性皮膚掻痒症(皮膚がカサカサして痒くなる)のような疾患がある場合です。

・喘息や呼吸器の疾患があって、咳や呼吸が苦しくて眠れない場合。

・夜間頻尿のため、夜中に何度も起きてトイレに行かなくては行けない場合。

・その他に、睡眠中に何回も呼吸が停止して息苦しくて目が覚めてしまう場合、足がつっ起きてしまう場合や足がムズムズして眠れない場合などがあります。

【生理学的原因】
・体内時計が急激な環境の変化についていけなくて眠れなくなってしまう場合。これは海外に行ったとき起こりやすく、いわゆる時差ボケや交代勤務で眠る時間がまちまちになってしまう人に多くみられます。

・年をとると共に睡眠が浅くなり、夜にまとまった睡眠がとれなくなり、昼間に眠たくなる場合。

【心理学的原因】
・生活する上での重大な変化やストレスによって眠れなくなってしまう場合。これは、おおむね3週間以内で治まる短期の不眠と、3週間以上続く長期の不眠に分けられます。

【精神医学的原因】
・うつ病やうつ状態・分裂病・躁病に伴って眠れない場合。

【薬理学的原因】
・嗜好品(お茶・コーヒー・たばこなど)や薬が原因となって眠れない場合。
不眠の原因となる5つの主な原因を挙げましたが、その他にも眠る時間が深夜になってしまい、眠るべき時間に眠れなくなってしまう場合などがあります。シリーズ不眠、最終回となります次回は、不眠の予防法と対策についてお話したいと思います。

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