花粉症の治療方法

段々と気候も暖かくなってきましたが、それにあわせ花粉の季節にもなってきました。今回は花粉症の治療方法について少しご紹介をしたいと思います。他の目や鼻のアレルギー治療と基本的には同じ花粉症の治療ですが、大きくわけると症状を軽減する対症療法、根本的に直す根治療法の二つがあります。

<対症療法>
内服薬による全身療法
点眼、点鼻薬などによる局所療法
鼻粘膜への手術療法

<根治療法>
原因抗原(花粉など)の除去と回避
減感作療法(抗原特異的免疫療法)

対症療法に用いられる薬剤としては、くしゃみや鼻汁が強い症状の場合は抗ヒスタミン薬(第2世代)がよく使われ、鼻づまりが酷い場合にはロイコトリエン拮抗薬が使われます。眼の症状については、抗ヒスタミン薬の点眼液、化学伝達物質遊離抑制薬の点眼液が主体として使われています。他にも、ステロイド薬の点鼻、点眼なども症状の程度等に応じてさまざまな薬が花粉症の治療に用いられています。

アレルギー治療薬の使用方法は、花粉飛散開始とともに薬剤の投与を始める初期治療が一般的です。それは症状が現れてから薬剤を服用し始めるより効果が高いことが分かっています。
副作用としては、花粉症薬を服用したことがある方はご存じかと思いますが、抗ヒスタミン薬は多かれ少なかれ眠気が出ることがあります。

次に根治療法についてですが、外出時にマスク、めがねを使用したりと、原因の花粉を少しでも体の中に入れないようにすることが有用です。
花粉症用のマスクでは花粉が約1/6、花粉症用のめがねでは1/4程度に減少することが分かっています。
花粉情報なども利用し、飛散が多い日には無駄な外出を控える、窓の開け閉めに気をつけるなど、小さなことの積み重ねが大切です。

減感作療法(抗原特異的な免疫療法)は、花粉の抽出液の濃度を少しずつ上げ注射して、身体を花粉に慣らし、花粉に対し防御する免疫を獲得するようにさせる方法です。
週に1~2回の注射から開始し、維持量からは2週間に1回を2ヶ月間続け、その後1ヶ月に1回の注射となります。これは体質改善のため2年以上続けることが重要です。

やめた後でも効果が持続するのがこの治療法の特徴であり、2年以上続けた患者さんの約60%の方に効果が持続しています。      (出典:厚生労働省HP)

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