2006年7月院長より

毎日暑い日が続いておりますが、外出時には水分補給に気を遣い、熱中症対策を怠りなきようお願いいたします。
 
 さて先日郵政民営化に伴って22%にも上る多数の郵便局にて集配業務を廃止するとの案が示されました。他の民間宅配業者等との競争が激化していくことになるからだとは理解できるのですが、本当に全国共通サービスを維持していくことが出来るのでしょうか?更に言えば郵政民営化なんて本当に必要なのでしょうか?もう少しで任期が終了する小泉政権ですが、ほころびがかなり目立つようになってきたと思います。効率化などを錦の御旗のように唱え、経済優先の政策を推し進めてきた小泉政権ですが、その時代の波に乗った「ホリエモン」や村上ファンドの代表者などが逮捕され、公正であるべき日銀総裁が村上ファンドに投資をし、一民間企業を応援したかったなどとお粗末な発言をし、窮地に追い込まれた事件があるなどモラルの低下を感じさせる出来事が次々と発覚している現状を鑑みるに、これらが経済至上主義の悪弊だと思うのですが、いかがでしょうか。

 最近医療関係者の中で「立ち去り型サボタージュ」なる言葉が話題になっていることはご存じでしょうか?極端な医療費削減政策やその他の要因のために、病院の医師が減少し、忙しくなった上に、売り上げを伸ばすことを要求され、ひとたびミスを犯すと逮捕されかねないほど荒んでしまった医療現場に絶望し、病院を辞めていくことで医療制度崩壊を後押ししているという意味で使われているようです。以前にも書きましたが、医療はけっして安全なものではなく、本質的に身体に侵襲を与える行為です。その時、安全を最優先すると無理をしない方法を選ぶことになりますから、医療の進歩は遅れ、助かる患者さんも助からなくなる場合が出てきます。安全を最優先にしなければ医療は進歩しやすくなりますし、最新の治療法で助かる患者さんも出てくる代わりに技術が不十分だったために亡くなる患者さんもいらっしゃいます。日常の診療はこのような両極端にならないまでも時と場合によって振り子のように振れながら行われているのです。このような特性を是非理解して下さい。そして、私は昨今の医療の崩壊を急速に進めたのも小泉政権だと思っております。「立つ鳥跡を濁さず」というように一つでも良いことをやって辞めていただきたいものです。

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