2003年3月

パニック障害
今回からパニック障害についてお話ししたいと思います。最近、テレビや雑誌でパニック障害が取り上げられることもしばしばあるようですので、一度は耳にしたことがある方も多いのではないかと思いますが、パニック障害とはいったいどんなものなのでしょう?

 パニック障害とは、かつて「不安神経症」といわれてきたもののうち、不安発作を 伴うものにあたり、多くの場合繰り返し起こるパニック発作を主な症状とします。パニック障害そのもののためだけでなく、予期不安と呼ばれる、また発作が起こるのではないかという強い心配のために日常生活に支障を来してくるのが特徴です 。

 では、パニック発作にはどんな症状があるのでしょうか。パニック発作とは、ある日突然、次に挙げる症状のうち4つ以上がほぼ同時に起こり、激しい恐怖感と不安感を伴うものです。その症状は10分以内にピークに達し、その後は30分以内に症状が消失することが多いようですが、中には半日以上も症状が持続するケースもあります。
 
○動悸・頻脈(心臓がドキドキする・心拍数が増加する・強く脈打つ)
○身体や手足の震え
○窒息感・息ぎれ(息がつまる・呼吸が早くなる)
○胸の痛みまたは不快感
○死への恐怖(死ぬのではないかという恐怖)  
○めまい・頭が軽くなる感じ・頭のふらつき
○非現実感(自分が自分でない感じ) 
○汗をかく
○吐き気・腹部の不快感
○しびれやうずき感
○寒気またはほてり 
○口の渇き
○発狂不安(常軌を逸する・狂うという心配)
○その他

 このように、激しく苦しい症状が起こるので、本人も周囲の人もビックリして救急車を呼んで病院にかけこむようなことも多いようですが、いざ心電図やレントゲンなどの検査をすると、何も異常は出ないのです。
 パニック発作が初めて起きてから次の発作が起るまでの期間は、1日であったり1ヶ月であったり様々ですが、一度発作が起きると続けて起こる事が多いようです。何の前触れもなく起こる場合もあれば、発作を繰り返すうちにある一定の状況下で起こるようになることもあるようですが、いずれにしても、パニック発作そのもので命を落とすようなことはありませんので、慌てず落ち着いて対処するようにしましょう。
 次回は予期不安についてお話したいと思います。

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