腹式呼吸

 新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの暮らしは大きく変化しました。未知のウイルスに対して不安を抱えている方、外出が思うようにできずストレスを抱えている方もいるでしょう。

 人間は生きている限りさまざまなストレスにさらされます。適度なストレス(緊張感)は生活にハリを与えてくれますが、過度なストレスは免疫力を低下させたり、心身に悪い影響を与えたりすると言われています。

 ストレスを和らげる簡単な方法の一つに、呼吸法があります。今回はリラックスをするための呼吸法の1つである「腹式呼吸」を紹介します。

 呼吸を整えることによって、気持ちが落ち着き、緊張が和らいだという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?呼吸法には主に「腹式呼吸」と「胸式呼吸」の2種類があります。「腹式呼吸」は交感神経を抑え、副交感神経を刺激しますので、リラックスしたい時に適しています。一方、「胸式呼吸」は交感神経を優位に働かせますので、気持ちを奮い立たせたい時に適しています。場面によって呼吸を上手く使い分けることができるといいですね。

「腹式呼吸」の方法

①身体の力を抜いたまま、おへその下あたりに手をあて、長くゆっくりと息を吐きます。口をすぼめるようにして息を吐くと、時間をかけて息を吐くことができます。お腹の中の空気をすべて吐ききるイメージをしましょう。

②吐ききって下腹部が限界まで凹んだら、次は下腹部に空気を入れて膨らませるイメージで息を吸っていきます。この時、できるだけ自然に鼻から空気を吸うのがポイントです。

③めいいっぱい息を吸い込んだら、3秒ほど少し息を止めて、再び息を吐いていきます。

以上を5~10分ほど繰り返し行います。呼吸に合わせて身体の緊張がほぐれていくイメージを頭に浮かべながら行うことで、実際のリラックス効果も高まります。

※上手くいかない場合は、仰向けに寝て両手をお腹の上に乗せて行うと意識しやすくなります。

 新型コロナウイルスの重篤な感染症状の一つに息苦しさがありますが、不安や心配などで心身が緊張した状態になることで、呼吸が浅く短くなり、息苦さを感じることもあります。不安や心配によって息苦しくなり、息苦しさを感じてまた不安になるという悪循環にも陥りかねません。まずはリラックスをして、不安や心配な気持ちを和らげましょう。

カテゴリー: 202009, 心理室より パーマリンク