〈睡眠について〉

寒さが厳しくなってきました。寒くてなかなか起きられない、寒くてなかなか寝付けないという方もいるのではないでしょうか。今回は睡眠について紹介したいと思います。

1.睡眠覚醒リズム
人間はレム睡眠とノンレム睡眠が約90分の周期で、一晩に5~6回繰り返されます。睡眠が進むほどレム睡眠の割合が多くなり、脳を覚醒させる準備に入ります。一般的に、レム睡眠とノンレム睡眠の90分周期の区切りで起きると覚めが良いとされていますが、実際に周期は70分~110分間と個人差があるようです。自分の最適な睡眠時間を知るために、日々の生活の中で、自分の睡眠をよく観察することが手助けになると思います。

2.人間の習性
人間は昼の明るいうちに活動して、夜暗くなると眠くなるという習性があります。それは体内時計が無意識のうちに時を刻んでいるからです。その体内時計を調整しているメラトニンの分泌が減ると眠りが浅くなります。メラトニンの分泌を減少させるものは「ブルーライト」です。どこの家庭にもある白い蛍光灯の光にはブルーライトが含まれています。その他にもスマートフォンやパソコンの画面からもブルーライトは出ています。質の良い深い睡眠を取るためには、蛍光灯やスマートフォン等の液晶画面から放出されるブルーライトからの目の刺激を避け、ゆっくり過ごすことが大切です。

3.「寝なければ」という気合いは眠りを遠ざける
「寝なければ」と気合いを入れれば入れるほど、焦ってしまい、ますます眠れなくなります。このような精神状態が続くと、脳は「布団は眠れない場所、嫌なところ」と条件付けてしまいます。条件付けがされると、布団に入るとむしろ不安になり、「布団は眠れない場所」になってしまいます。そうならないために、以下の方法を取りましょう。
①眠気を感じた時だけ布団に入る。眠くないのに「時間だから、夜遅いから」ということで布団に入らない。
②布団は眠りのためだけに使う。本を読んだり、音楽を聴いたりというような眠り以外のことでは使わない。
③眠るために布団に入っても、20分以内に寝付けなかったら、一度布団から出て他のことをして頭を切り替える(ストレッチ等)。
※この時スマートフォンを見たり部屋を明るくしたりしてはいけない。
④眠気を感じたら、また布団に戻る。
⑤まだ20分以内に寝付けなければ、布団から出て気分転換をする。(①~⑤を繰り返す。)

眠れない日でも、毎朝同じ時刻に目覚ましをセットして起き、必ず太陽の光を浴びましょう。休日でも同様です。また、二度寝をしたい時は、部屋を明るくしてからもう一度寝ましょう。同じ時間に起きることを習慣にすることで、毎朝すっきり目覚めることができるようになります。

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