2003年11月心理室より

焦りの心理

 イライラや不安を感じるときには「焦りの心理」が関係していることがあります。今回はその「焦りの心理」についてお話ししたいと思います。

【「焦りの心理」とは?】
 私たちは、挑戦しようと思ったことや求めていたものが一度うまくいくと満足します。しかし、その後さらに上のものを求めるようになります。今までと同じものでは満足できずに、より高い水準を求めるようになります。逆に、失敗が続くときには目標水準を下げて、自分の目標を下げて目標が達成できるようにします。そして「焦らない状態」にします。失敗ばかり続いているのに要求水準は高いままだと、何とか望みを叶えたいと焦るあまり、普段の自分では感じなかったイライラや不安が続くようになります。これが「焦りの心理」です。

【「焦りの心理」に影響するものは?】
 まずは、その人の性格にもよると思います。要求水準が高い人はどうしても焦りやすくなりますし、逆に要求水準が高くなくてすぐに満足できる人は、あまり焦るということはないでしょう。 それに加えて、焦りは集団、グループの影響も受けやすいと言われています。周りの人が焦ると、
どういうわけかその影響を受けて自分も焦ってしまいます。グループのみんながのんびりムードだと、いつもなら焦るような人ものんびりしてきます。「焦りの心理」は、集団の暗示を受けやすいのです。

【焦りをプラスに作用させよう】
 「焦りの心理」は、ときには人間を積極的にさせる役目も果たします。ですから、「焦りの心理」は、プラスに作用することもマイナスに作用することもあるのです。では、どうしたら「焦る心理」をプラスに作用させることが出来るのでしょうか?その方法は3つ考えられます。
①今の自分の考えや、しなければならないことを整理する。
②計画をたてて、目標の期限を作る。
③目標や夢を文章(スローガン)にして、壁に貼ったり、いつも自分で口ずさんでみる。
 
 まず、第1に、今何をしたいのか、何をしなければいけないのか、どんな夢を実現させたいと思っているのかを、じっくり考え直してみて下さい。それがはっきりしているときには、今、自分が欲しい、やってみたいと思っているものを箇条書きにしてみてください。書き出したら、それに順位をつけます。そして、順位の高いものから順番に片づけていくようにしてください。
 第2に、目標を決めたら、それをいつまでに実現させるか期限を明確にすることです。ただし、あまり短期間で実現させようとすると、かえって焦ります。自分の能力にあわせて期限を決めて下さい。
 第3に、あなたの目標を文章(スローガン)にしてみて下さい。その文章(スローガン)は、自分のやる気を高める役目を果たしてくれます。

 このような方法で、あなたの焦りをプラスに作用することができると思います。ぜひやってみて下さい。

カテゴリー: 200311, 心理室より パーマリンク