2002年7月院長より

 この文章を考えている最中に、健康保険法改正案が衆議院で与党により強行採決され、可決されてしまいました。本年10月からの老人の医療費を1割の定率(一部2割)にし、来年4月から社保本人の窓口負担を3割に上げようとする法案です。国民の負担ばかりを上げるこんな法案が通ってしまうのも、日本の医療について、国民の多くが誤解をしている事、またそう思わせるように情報が操作されている事が原因の一つだと思います。
 
【誤解】日本の医療は、費用が高くて、質が低い
【正解】日本の医療は、費用が安くて、質が高い

その根拠は、
1)世界保健機構(WHO)が、昨年、加盟191カ国の保健医療システムについて比較した結果、総合評価で日本が世界で一位でした。

2)経済協力開発機構(OECD)の調査では、国内総生産(GDP)に対する総医療費の比率は、日本は、先進国中、最も低レベルでした。

3)経済財政諮問会議の声明でも「我が国の健康指標は世界最高水準にある。これは戦後の我が国の医療政策・国民皆保険体制の成果であるといってもよいであろう。」と述べられている。

 つまり、現在の日本の医療制度は、色々改善すべき問題点もありますが、「安くて、質が高い」という点で、世界的に見て最高水準にあります。日本の医療は「高い」、「質が低い」という誤解に基づいた改革は改悪にしかなりません。
 優れた日本の医療システムを壊されないように、皆様方のお力を貸してください。

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