精神科の病気の特徴

生まれもった体質と生活の中でのストレスがきっかけになり、脳(神経)の働きに不調が起こり、治療では、この不調を改善する為に薬の処方や混乱した思考や感情の整理としたカウンセリング等の方法が使われています。また、遺伝や性格、育った環境が影響する事もありますが、直接の原因とはいえません。特殊な病気ではなく、病気と体質の関係は、一般的な慢性の病気と似ています。なので、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のように、日々の行動や対処を工夫することで、よりよい生活をおくることが出来ます。

回復までの過程

病気や回復の経過には、個人差が大きく、一人ひとりが違うペースで回復に向かいます。また、回復はゆっくりと進み、時間がかかります。回復までの過程として、以下の4期に大きくわけられます。

・前兆期

症状が現れてくる前の段階です。疲れやストレスが溜まって休みたくてもゆっくり休めず、心と体のバランスが崩れた状態であり、はっきりとした症状が出なくても、眠れなくなったり、焦りの気持ちが酷くなり、辛く感じることもあります。これらの状態に早く気づくことができれば、じっくり休んだり、気分転換やストレスの解消等の対処が出来ます。

・急性期

はっきりとした症状が現れ、眠れなくなったり、音や気配に敏感になって起きたり、倦怠感を感じたり等、混乱した状態になります。休養と薬によって症状を抑える事が必要になってきます。

・休息期(消耗期)

休息期の後は、エネルギーが消耗した状態がしばらく続き、消耗したエネルギーを取り戻す為に休息が必要な時期です。充分な休養と睡眠等によって、規則正しい生活のリズムになってきたら、やがて回復へと向かっていきます。

・回復期

回復の為には、気持ちの良い眠りとリラックスが必要です。徐々に気持ちにゆとりが出来てくれば、少しずつ何かに取り組める様になります。再発予防に薬を利用して、自分のやりたいことをゆっくりと広げていきます。

※自分の症状を今一度見直し、自分に必要な事や自分に出来る事を考える中で、症状の自己管理をしていく事が必要となってきます。

薬の役目

人はフィルターの様なものを通し、無意識のうちにたくさんの情報の中から必要なものを脳に取り入れ、いらない情報は除いています。病気になるとフィルターに破れ目が出来たようになり、いらない情報まで入ってきてしまいます。すると、脳に情報が溢れて、考えがまとまらなくなったり、混乱してしまいます。その為、薬は破れたフィルターの穴を塞いで、いらない情報が入らないようにする働きがあります。

薬との付き合い

薬をやめると再発の可能性が高くなります。

薬はさまざまな検査で安全性が確認されており、長い間薬を飲み続けていても中毒性はほとんどありません。また、主治医と相談しながら、自分に合った量の薬をコツコツ飲み続ける事が大切です。薬の置き場所や飲み忘れのない為の工夫をしましょう。

困った事、分からない事、悩んだ事等あれば、気軽にご相談下さい。

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