2011年9月

骨粗鬆症
 骨粗鬆症とは、骨の量が減って中身がスカスカになり、もろくなってしまう病気です。わずかな衝撃でも骨折しやすくなり、要介護状態、寝たきりになってしまう方も多くいらっしゃいます。ほとんどの方は加齢により骨密度が減っていきますが、無理なダイエットや偏食などによるカルシウム不足でも骨がもろくなってしまったり、女性の場合は閉経による女性ホルモンの減少が原因で骨粗鬆症になることもあります。
 骨密度が減少すると、自分の体の重みなどでも圧迫骨折(背骨が圧迫されてつぶれてしまうこと)を起こし、腰や背中に痛みを伴ったり、背中が丸くなり、内臓が圧迫されるために消化不良や便秘になったりします。
 ただし、背中が丸くなることは年齢とともに徐々に起こる事ですし、痛みがない場合もある為、自覚症状が乏しく気づいたときには症状がかなり進行していたなんてことも少なくありません。その為、骨密度を定期的に測定することが大切です。

 名古屋市でも骨粗鬆症の検診を実施しており、当院でも受けることができます。対象者は以下の方々です。

●対象者 今年度中に40.45.50.55.60.65.70歳になられる女性の方
●検診料 500円 
    40.50.70歳の方は無料で受けることができます。

また、当院では検診とは別に保険診療にて骨密度を4ヶ月に1度のペースで計測し、経過を見ていくといった定期的な測定も行っています。希望される方は、職員にお声かけ下さい。

骨粗鬆症の予防と改善
骨を丈夫にする為には日常生活での食事療法、運動療法、日光浴などが重要です。

【運動療法】
 運動不足は骨密度を低下させる要因の一つです。毎日30分~1時間ほどの散歩や軽い運動等をゆっくり時間をかけて行いましょう。また、日常生活の中でも家事をしたり、積極的に階段を使うといったことでも効果があります。ただし、くれぐれも無理だけはしすぎないようにしましょう。

【食事療法】
 食事の中で骨に良いものを摂るよう心がけましょう。カルシウムを多く含んだ食品や、カルシウムを吸収しやすくしてくれるビタミンDや体を作る為に重要なタンパク質などを摂取しましょう。特に、食事量が少なくなりがちな高齢者の方は不足がちにならないように注意しましょう。

<主な食品>
・カルシウム食品…牛乳・乳製品・小魚・野菜・海藻など  
・ビタミンD食品…サンマやイワシ、サバ、ニシンなどの魚類全般、また干し椎茸やきくらげなどの干したキノコ類
・タンパク質…鶏のササミ肉やモモ肉、豚・牛ヒレ肉。他にもサンマや鮭、ウナギ、マグロ・カツオなどの魚類や、卵、大豆(大豆製品)など
                            
【日光浴】
 最近は日差しも弱く気温も下がりはじめ、日光浴もしやすい気候になってきたかと思います。食事療法でも紹介したビタミンDは食物から摂取するだけでなく、日光を浴びると体内で作られ、骨を丈夫にしてくれます。しかし、過度な日光浴は皮膚がんを発症する原因ともなりますので、強い日差しでは5分程、弱い場合には30分を目安にしましょう。

強い骨を保つためにも定期的に検診等を受け、日常生活の中から気をつけてみましょう。

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