2011年11月

早いもので、今年もまもなく終わろうとしております。今年は東日本大震災があり、原子力発電所の事故も加わったため、未だ復旧、復興の足かせとなり、日本経済の停滞、悪化が心配されます。 先日名古屋大学減災連携研究センター客員教授隈本邦彦氏のご講演を聞く機会がありました。氏はNHKに勤務されていた際、科学報道や防災報道に関わってきた経験を生かし、現職につかれているそうです。阪神淡路大震災は直下型地震であり、非常に多くの負傷者がでたこと、死者の8割以上が建物の倒壊や家具の下敷きになって死亡したということ、被害は古い建築基準の建物に集中していたことなどが教訓であったそうです。それと比較して東日本大震災は巨大津波による溺死が死者の大多数を占め、非常に広域に被害が及んだ事と原発事故が付け加わった事が教訓であり、それぞれの教訓に学んでいかなければいけないとの事でした。そこで防災を考えた場合、旧建築基準の建物は耐震診断を受け、耐震補強を受ける事が重要との事でした。建物や家具が倒れなければ、圧死もなく、火事も起こらないからだそうです。そして津波や液状化などの被害を受けないようにするには地盤のしっかりした所に住むようにすべきとの事です。しかしながら実際の対応は困難ですから、普段から2階建て以上の避難場所を確認し、避難経路を確認し、時々避難訓練を行う必要がありそうです。
 政府は社会保障と税の一体改革成案で、受診時定額負担制度の導入を検討しているそうです。受診するたびに百円を徴収しようとするものです。一度導入されればいずれ五百円、千円になっていく恐れがあり、所得の少ない方、受診回数の多い病状の安定しない方には大きな負担になります。受診を差し控え、手遅れになってしまう事にもなりかねません。この制度導入に反対する署名をお願いする事になるかと思いますので、その折には是非ご協力をお願いいたします。

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