2008年11月心理室より

森林浴のすすめ

 “森林浴”は樹木に接して精神的な癒しを求める行為です。近くの公園や林を散歩する程度から登山やキャンプ、植物園見学まで幅広く森林浴に含まれます。日本では1982年に当時の林野庁などによって提唱され、長野県の『赤沢自然休養林』が発祥地とされます。

【フィトンチッドとは?】
 植物が発散する酸素や微妙な香りなどには、殺菌・浄化作用が含まれていて、人にとって非常によいことが確認されています。この森林浴効果をもたらすのが『フィトンチッド』、微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質です。植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質です。

【森林浴の効用】
○殺菌効果
樹木が発散する酸素や香りには殺菌物質が含まれていて、病原菌や細菌を寄せ付けない作用が働いています。人にとっても好環境となり、その効果は想像以上のものです。
○森林の香り 
森林の中にいなくても、檜(ヒノキ)のように素敵な香りに出会うとホットするはず。樹木や草花の香りには心を静める効果があり、森の中を歩いていると、気持ちが安らいでくるのはこのためなのです。
○森林の色
植物の種類や、季節によって森の色は異なってきますが、基本的には心理的に「落ち着き」を誘う緑が中心。感動的な紅葉の色も、心に新しい風を呼び起こします。
○森林の空気
空気中のチリやススも、森林がフィルターとなってシャットアウトしてくれます。適度な湿度とバランスよく調和して、私たちをやさしく包み込んでくれているのです。
○酸素の供給源
植物は二酸化炭素を吸って、酸素を発散しています。だから森林の中は新鮮な酸素がいっぱい。思いっきり深呼吸をしてみましょう。
○防風・遮光効果
よく成長した森林は、背丈も高く生い茂っているから、真夏の直射日光をさえぎり、いつも涼風のさわやかさ。強風や突風からも私たちを守ってくれます。
○防音効果
都市の騒音は森の中にはありません。清流のせせらぎ、野鳥のさえずり、優しい風の音など、静寂の森に耳を済ませば、心地よい自然の声が聞こえてきます。

【森林浴の森日本100選】

林野庁と緑の文明学会、地球環境財団が共同で選定しています。愛知県にあるものを挙げてみました。是非行ってみてはいかがでしょうか。

 『昭和の森』(豊田市)
 『愛知県森林公園』(名古屋市・尾張旭市)
 『愛知県民の森』(新城市)

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