2000年11月心理室より

 心理室より  ストレスについて1            
【ストレスとは】

私たちの体は外からの刺激が加えられるとひずみの状態が生じ、それに適応しようとある反応を起こします。この外からの刺激がストレッサーであり、体の反応を【ストレス】といいます。つまり、【
ストレス状態を引き起こす要因をストレッサー】といい、ストレッサーによって引き起こされた【心や体の変化をストレス】といいます。

【ストレスをなくすことはできるの?】
残念ながらストレスをなくすことはできません。生きている限りストレスは続きます。といいますのは、ストレスとは本来、生物が外的あるいは内的な刺激に適応していく過程そのものを概念化したものだからです。つまり、機構が変わればそれに適応し、心理的なショックを受ければそれに適応していく、そうした環境に適応していく時の反応とプロセスのことをストレスというのです。ですから、【ストレス】という言葉は【生きる】という言葉の同義語ぐらいに考えてみてもいいくらいなのです。

【良いストレス】もある
ストレスとは刺激に対する反応ということもできます。その反応には当然悪い反応もあれば、よい反応もあります。つまり、ストレスには【悪いストレス】だけでなく、【良いストレス】もあるのです。

【良いストレス】・・・良いストレスとは、例えば、目標・夢・スポーツ・よい人間関係など、自分を奮い立たせてくれたり、勇気づけてくれたり、元気にしてくれたりする刺激とその状態です。こうした【良いストレス】が少ないと、人生は豊かにはなりません。

【悪いストレス】・・・悪いストレスとは、例えば、過労・悪い人間関係・不安など、自分のからだやこころが苦しくなったり、いやな気分になったり、やる気をなくしたり、まわりの人に何らかの迷惑を及ぼしてまったりするような刺激とその状態のことをいいます。

【受け止め方で違ってくる】・・・しかしながら、同じストレッサーでも、受け止める人によって【良いストレス】になるか
【悪いストレス】になるかが大きく異なってきます。
例えば、スポーツの好きな人には、スポーツは良いストレス状態を引き起こしますが、
スポーツの嫌いな人には嫌な気持ちを起こさせるということがあります。
あるいは、ある目標や期限をバネにして頑張る人もいますが、同じ目標や期限を、
【仕方なく果たさなければならないノルマ・迫り来る締切】と感じて自分を苦しめる人もいます。

【適度なストレスを】・・・ストレスの量と仕事の生産性の関係を見てみますと、ストレスレベルが高すぎても、
低すぎても生産性は落ちるということが分かっています。
ですから、人生には【適度なストレス】が必要と言えます。

【ストレスがなさすぎても問題】・・・適度な【良いストレス】を持つようにし、その一方で、【悪いストレス】は、
できるだけ少なくし、あるいは、なんとかそれに対処していくこと
【ストレスを解消する・受け止め方を変えるなど】が重要です。

カテゴリー: 200011, 心理室より パーマリンク