1999年3月号

糖尿病

糖尿病は、自覚症状がないままにじわじわと進行し、様々な合併症をひき起こします。
糖尿病の合併症を防ぐためには、患者さん自身も合併症の怖さを知っておくことが大切です。患者さん自身の生活の質を低下させてしまわないように、血糖のコントロールに努めましょう 。

【糖尿病による合併症】

【網膜症】
網膜(眼球の奥にある膜)にある細かい血管が破れて出血を起こします。
時には、網膜がはがれる網膜剥離を起こすこともあります。糖尿病と診断された後は定期的に眼科受診が必要となります。

【腎症】
腎臓は、血液をろ過して尿をつくります。ところが血糖の高い状態が続くと、血液をろ過する毛細血管が硬くなり、うまく働かなくなります。この状態が続くと【むくみ】が現れ、さらに進行すると尿がつくられなくなってしまうこともあります。

【血流障害】
主に足の血管の血行が悪くなって、【しびれ】・【痛み】などの症状が現れます。

【脳出血・脳梗塞】
脳の血管が詰まって血液の流れが止まり、脳の細胞が壊されるのが脳梗塞で、
脳の血管が破れて出血をするのが脳出血です。ひどい場合は命に関わったり、麻痺などの後遺症が残るケースもあります。

【神経障害】
神経の細胞や毛細血管が障害されることで、起こります。主な症状として【足の裏のしびれ】があります。進行すると、痛みが感じにくくなり、ケガをしても気 づかず悪化させてしまうこともあります。また、内臓の働きを調節する自律神経にも障害が起こると 【立ちくらみ】・【上半身に汗をかく】・【胃腸障害】などの症状も見られることもあります。

【心筋梗塞】
血液の流れが悪くなり、心臓の血管が詰まりやすくなって引き起こります。心筋梗塞は激しい痛みを伴うのが特徴ですが、糖尿病の患者さんの場合、自律神経を障害されていると痛みを感じないことが あるため、発見が遅れ症状を悪化させてしまうこともあります。

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