1999年11月

めまいについて  よく【めまい】という言葉を耳にしたり、あるいは経験されたことのある方も多いと思います。
今回はこの
【めまい】についてお話ししたいと思います。

めまいは、バランスや反射などをつかさどる平衡神経系の異常によって起こります。異常といっても、【フワフワする・くらくらする】というように徐々に起きてくるものや【グルグルする】様な急激に起きてくるものもあり、その症状の表現は様々で、軽いものから重い病気によるものまで幅があります。
ではどういった症状があるのでしょうか。

比較的多いもので、低血圧症のために起こる【立ちくらみ】もめまいの中に含まれます。また、耳鼻科系のめまいの病気では、【メニエール病】といって回転性のめまいに耳鳴り、難聴を伴うものもあります。他に突発性難聴や内耳炎などにもめまいが伴うことがあります。良性発作性頭位めまい症といって、耳鼻科的な疾患がなくて、頭をある位置に傾けると めまいが起き、戻すとめまいが治るといったものもあります。重いものでは、【脳卒中】【脳腫瘍】などの脳の病気につながるものがあります。他に精神病などの症状にもめまいが見られることがあります。

このようなめまいの中でも特に最近増えてきているのが、【心因性めまい】というものです。 これは上述の様な疾患と合併する場合もありますが、その多くはめまい疾患がなく、何らかの心因性の反応によって発症する場合のものを指します。

特徴】
めまいは【回転感・動揺感・眼前暗黒感】など不定です。めまいに伴って、
【耳鳴り・耳閉塞感・頭重感・肩こり・不眠・気分がすぐれない・脱力感】などの自律神経症状や精神的不定愁訴が多くみられます。上記の症状を誘引するような心理的な契機があります。心理的な契機とは、ストレスや悩み、突然起きる災害や身内の死などの心的ショックなどが考えられます。心と体が密接に関連していることは以前お話ししましたが、めまいという症状は、心の問題や身体的な病気の一つの信号なのです。その区別や原因については、専門の医師の診断が必要になります。

*当院でも簡単なめまいの検査を行っていますので、気になる方はお気軽にお申し出下さい。

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