年末にイライラしやすい「怒りの素」

今年も残り2ヶ月となりました。この時期は様々なことが「怒り」と結びつきやすくなるそうです。

・待たされてイライラする

 師走というとおり、何かと気忙しいこの時期には、急いでいるのに待たされるとイライラしがちです。

待ち合わせの相手が来ない、宅配便が来ない、注文した料理が来ない、電車が来ない、信号が変わらない、エレベーターが来ない、パソコンがすぐに起動しないなど。普段はそれほど気にならないことも、心のゆとりが失われると、イライラの元になります。

・混んでいてイライラする

 忘年会、クリスマスなど、年末はイベントに参加したり、帰省、旅行で外出したりする機会も増えます。飲食店、小売店、繁華街、空港、駅、道路など、いつもより混雑しており、待たされる、人とぶつかりそうになるなど、イライラにつながる場面が増えます。

・温度差にイライラする

 外は寒いのに、中は暖房が効きすぎて暑い。お店、オフィス、公共の場所、電車やバスの中など、場所によって暑かったり寒かったり、温度が違う。服を脱ぎ着するのも面倒だし、できない場合もあります。気分が悪くなったり、体調が悪くなったりしがちです。

・体調が悪くイライラする

 この時期、寒いので縮こまって肩や腰が痛かったり、疲れたり、風邪をひいたりして、体調が優れず、イライラすることもあります。

・人との付き合いにイライラする

 イベントや旅行、帰省で、新しい出会いや、普段会わない人と久しぶりに会う機会があり、楽しい反面、気も遣いますし、違う考え方、価値観の人に、イライラすることもあります。久しぶりに会った親戚に「結婚はまだ?」「お子さんはまだ?」「就職はできたの?」「太ったね」などと言われ、相手は何気なく言っていても、言われた本人は傷つくこともあります。

 怒りは、第二次感情と言われています。不安、つらい、寂しい、苦しい、痛い、困った、嫌だ、疲れた、悲しいなどの第一次感情が、心の中のコップに溜まり、溢れたものが「怒り」になるイメージです。待たされる、混んでいる、暑い、寒い、身体の具合がよくない、人との付き合いに気を遣うなどで、つらい、困った、嫌だ、疲れたなどの第一次感情が溜まると、第二次感情の怒りとなって溢れます。早めに動く、混雑を避ける、脱ぎ着しやすい服にする、食事・睡眠・運動に気をつけるなど、なるべく第一次感情を溜めないよう、減らすように心がけましょう。

 また、考え方や価値観が違う人に何か言われても、相手の言葉を気にせず、「そういう考え方、価値観の人もいる」「生まれ育った環境、経験はそれぞれなので、人によって考え方、価値観は異なる」と思えば、気も楽になります。

 相手の言葉を聞き流せない場合は、相手のことを否定するのではなく、「私は、違う考えです」「私の考えはこうです。理解していただけると嬉しいです」と、「私」を主語にした言い方、「I(アイ)メッセージ」で伝えるとよいでしょう。

カテゴリー: 201911, 心理室より パーマリンク