呼吸法

今回は、リラックスしたいときに効果的な『呼吸法』を紹介します。私たちはストレスを感じ緊張感が強くなると、無意識的に呼吸が浅くなります。このとき意識的に深く息を吐くことで、自律神経の乱れを調整することができます。緊張する場面や疲れているとき、気分が落ち込んでいるときなどにぜひ試してみてください。

セロトニンとは
 「幸せのホルモン」とも呼ばれているセロトニンは、神経を興奮させる効果のある「ノルアドレナリン」や、快感を増幅させる効果のある「ドーパミン」と同じ、脳内ホルモンです。睡眠や感情、精神面などに深く関係すると言われています。脳は緊張やストレスを感じると、自律神経のバランスを整えるためにセロトニンが分泌され、ノルアドレナリンやドーパミンの働きを抑える性質があります。私たちはリラックス効果のあることを行うと、脳内でセロトニンが分泌され、ノルアドレナリンが減少するため、癒されると考えられています。しかし、疲労やストレスが蓄積されるとセロトニンの働きが制限されてしまったり、セロトニンの分泌量が減少すると言われています。
 
セロトニンと呼吸の関係
 セロトニンの分泌と呼吸は、深く関わりあっていると言われています。なぜなら、セロトニンは人の運動機能に関与していると考えられているからです。呼吸や歩行、咀嚼といった反復性のある運動をスムーズに行うために、セロトニンは分泌されるという性質があります。このようにセロトニンが関与しているとされる運動を積極的に行うことによって、セロトニン神経が刺激され、セロトニンの分泌量が増えると考えられています。そのため、呼吸はセロトニンの分泌においてとても有効だと言えるのです。また、セロトニンを増やすために呼吸が適している理由の1つとして、「手軽さ」が挙げられます。ジョギングやウォーキングもセロトニンの分泌量の増加には効果的だと言われていますが、呼吸と違っていつでもできるわけでもなく、環境や体調などから行うことが困難な場合もあります。だれでも気軽に取り入れることができることからも、セロトニンを増やす方法としておすすめです。

呼吸法の仕方
(1)姿勢を整えて(いすの背に軽くもたれて、両手はひざの上に)静かに目を閉じる
(2)1,2,3 と数えながら鼻から息を吸いながら、お腹を膨らませる
(3)4 で、いったん息を止める
(4)5,6,7,8,9,10 で 口から息を吐き出しながらお腹をへこませる
 (※ (2)、(3)、(4)を 3分程繰り返す)
(5)終わるときは、両手をグッパ、グッパ と開いたり閉じたりしてから、最後に伸びをしてすっきりしましょう
 呼吸法はがんばらずに無理のないようにしてください。また、できるだけ雑念を追い払い、何も考えずにやれるとなお良いです。気になることを考え始めるとそちらに意識が集中し、身体の緊張につながってしまうので、今やっている動作だけに集中することがポイントです。

カテゴリー: 201811, 心理室より パーマリンク